デジタルスポーツとは何か
「デジタルスポーツ」という言葉は、eスポーツと混同されがちです。実際には別のもので、身体を動かす競技に、センサーや表示技術を組み込んだものを指します。開発している立場から、何が変わるのかを整理します。
eスポーツとは別のもの
| eスポーツ | デジタルスポーツ | |
|---|---|---|
| 身体を動かすか | コントローラ操作 | 実際に投げる・走る・打つ |
| 競技の実体 | コンピュータゲーム | 物理的な道具と空間 |
| 技術の役割 | ゲームそのもの | 判定・記録・演出の支援 |
| 会場 | 画面の前 | 体育館・広場・ホール |
「テクノスポーツ」「スポーツテック」と呼ばれることもあります。呼び名は定まっていませんが、指しているものはおおむね同じです。
技術で何が変わるのか
1. 判定が自動化される
従来のスポーツで最も人手を要するのが審判と記録です。判定をめぐる争いも起きます。センサーが判定を担うと、この負担と争いが同時に消えます。
これは競技レベルの話だけではありません。学校の授業では先生が、イベントでは運営スタッフが、審判と集計から解放されます。その人手を、生徒への声かけや来場者対応に回せることが実務上は大きい。
2. 体力差を吸収する設計ができる
従来のスポーツは、多くの場合身体能力の高さがそのまま結果になります。これは競技として自然ですが、「全員に参加してもらう」場面では障害になります。
デジタルスポーツでは、得点方式や判定条件を設計できるため、能力差が結果に直結しない構造を意図的に作れます。Cyber MOLKKYの「ちょうど50点、超えたら25点に戻る」というルールは、まさに強く投げることが不利に働く場面を作り出しています。
3. 見ている側に伝わる
光と音による演出は、装飾ではありません。「今、何が起きたか」を観客に伝える情報です。得点が入った瞬間が視覚的に分かることで、競技を知らない人でも見て楽しめます。
導入が進んでいる場面
| 場面 | 解決したい課題 |
|---|---|
| 学校の体育・クラスマッチ | 運動が苦手な生徒も活躍できる種目が欲しい |
| 企業の社内イベント | 全員が参加できて、幹事も楽しめる出し物 |
| 自治体のイベント | 子どもから高齢者まで同じ場で楽しめるコンテンツ |
| 商業施設・展示会 | 足を止めてもらえる体験型のコンテンツ |
| 福祉施設のレクリエーション | 身体の状態が違う方が同じ活動に参加できる |
共通しているのは「年齢も運動経験も異なる人が、同じ場に集まる」状況です。ここでは従来のスポーツが機能しにくく、デジタルスポーツの設計の自由度が効きます。
株式会社revotが開発しているもの
弊社は筑波大学発のベンチャーで、センサー機器・ドローン・AIシステムの受託開発を本業としています。デジタルスポーツについては、デバイスと判定システムの開発を担当しています。
- Cyber MOLKKY(サイバーモルック) — 各ピンが内蔵センサーで転倒を自己判定。iPadアプリが自動採点。特許出願中、商標登録済(登録第7003243号/第7003244号)
- SASSEN(サッセン) — センサーを内蔵した競技用具による打突判定。NHK WORLD-JAPAN、日本テレビ、フジテレビ、Netflixなどで取り上げられています
- Cyber KASSEN(サイバーカッセン) — ウェアラブル端末を装着し、多人数が同時に対戦するシステム
いずれもハードウェアからソフトウェアまで自社で設計しています。センサー、回路、基板、ファームウェア、通信、アプリ。デジタルスポーツは層をまたぐ問題が起きやすく、分業していると原因の切り分けだけで時間が溶けます。
開発のご相談について
既製品の導入だけでなく、新しい競技やシステムの開発もお受けしています。「こういう場面で使える競技が欲しい」「既存の競技をデジタル化したい」といったご相談は、スポーツテック開発のページもあわせてご覧ください。